みゆさんのブログ

生きづらい独身女性たちの自由と平和のためのブログ

私たちはスキーマによって思い違いをする |д・´)

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こんばんは、みゆさんです(*´д`)o

さて、あるとき誰かが箱の蓋を開けた途端に「あ、塩をわすれた!」と言いました。

あなたはそこからなにを推測するだろうか?

まず「塩」といっているので中身は食べ物だろうと思えるし、塩を必要とするような野菜やゆで卵だったのではないかと推測するだろう。

また中には入っていないだろうと予測を排除できるもの(動物、本、楽器など)も推測できるし、同時にその箱が道具箱とか裁縫箱とか小包ではなく、弁当箱だと推測もできる。

じゃあ「その生徒は学校で叱られることを覚悟した」という言葉をきいたら、私たちはなにを推測できるだろうか?

もちろんその生徒が学校でなにか問題か何かを起こしたから、先生に叱られることを覚悟している、という場面を多くの人がイメージできるだろう。🏫

しかしここで、私たちが「学校」という言葉をきいて思い浮かぶのが、「学校の建物は古い」「学校は家のすぐ近くにある」ぐらいの情報しかなければ、上記の生徒の状況を思い出すことは不可能だろう。

私たちがこの文を理解できるのは「学校には先生がいて、先生はときには生徒を叱ることがある」という情報を思い浮かべることができるからである。

これらは心理学用語で「スキーマ」と呼ばれる、経験を抽象化・構造化して得られる知識、互いに関連し合った概念の集合体で、特定の話題、出来事、物などについて、人が理解したり考えたりするための、文化的枠組みで、「理解の枠組み」と呼ばれるものである。

私たちが学習した経験や知識は長期記憶という貯蔵庫みたいな所に保存されるわけだが、その情報量は膨大すぎるから、バラバラに保存されているのではなく、スキーマ(枠組み)で保存されているという。

だから私たちは見聞きする物事をすべて自分の頭の中のスキーマという効率のよい概念のフィルターを通して理解する。🤔

しかし、これが様々な思い込みやステレオタイプを生み出すこともある。

イギリスの大学のある実験では、学生たちに「幽霊の戦い」と題するインディアンの民話を読んでもらい、一定期間経過後にその民話を再生するという課題をやってもらったところ、多くはオリジナルとは内容が違ったものになっていた。

なぜならば、インディアンの民話はイギリスの大学生にとってはまったく異文化のものであり、理解しがたい部分が多くあったからだ。

そのため学生の再生文には、もとはなかった言葉がつけ加わったり、反対に省略されてしまったりして、学生が持っている知識や文化的背景に沿って、話のつじつまが合うように変形されていた。🔀

このような現象はきっと、私たちは日常的に頻繁に体験しているのではないだろうか?

そもそも私たち1人1人が違うスキーマを持っており、違う概念の枠組みでものごとを捉えていると考えれば、ちょっとした2人の人間の会話の間にも、すれ違いや思い違いが起こっていても不思議はない。

例えば2人の人間が今夜、町内のパトロールのため夜回りをしに行く予定があるとする。

2人は人気のない薄暗い公園とか神社辺りにも夜回りをしに行かなければならないとする。

そのとき1人は「人気のない夜道は物騒で危険だ」というスキーマを持ち、もう1人は「夜の神社や公園辺りには幽霊がでるから怖ろしい」というスキーマを持っているとする、そうなると前者は犯罪防止のための護身用のグッズを携帯し、後者は塩や数珠などの悪霊除けのグッズを持ち歩くだろう。📿

 別の例えだと、日本人は「食事のとき食べ物を残すことは作ってくれた人に失礼だ」と考え、中国人は「食事のとき食べ物を残すということは食べきれないほどたくさんご馳走してくれたということ」と考える。

だから日本人は多少無理してでも料理を全部食べようとし、中国人は料理を平気で残すのである。

これらは日本人と中国人で、食事に対する文化的なスキーマに違いがあるということである。

ある集まりで、誰とも話さずに1人で孤立している人がいるとする。

別のAさんは「人と話せない人は人見知りでシャイである」というスキーマを持ち、また別のBさんは「誰とも話さず1人でいる人は人嫌いで周りの人を見下している」というスキーマがあるとする。

そうすると、誰とも話さずに1人で孤立している人に対して、Aさんは自分から声をかけ打ち解けようとしたり、仲間に入れてあげようとするのに対し、Bさんは反対に冷たい目でみたりイヤミを言ったりするかもしれない。

とにかく私たちの世の中のものごとの捉え方はすべて、自分たちの知識と経験を構造化して作り上げたスキーマで決められる。

そしてさらなる様々な経験を通して、そのスキーマ自体を作り替えることもできる。

積極的に様々な新しい知識や経験を積み上げることで、今までのステレオタイプや思い込みや差別心を生みだしていた古いスキーマを作り替えることができるということだ。

大切なのは、まずは私たちの脳にはこのような機能が備わっているということを知っておくべきで、それゆえに「物事のすべてをそのまま正しく理解しているとは限らないよ」ということを常に理解しておくことだと思う。

 

みゆさん◟꒰◍´Д‵◍꒱◞

 

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